有給取得認めず賠償命令 コロナ理由、札幌高裁

 米ハワイでの娘の結婚式に出席するため勤務先の京王プラザホテル札幌に有給休暇取得を申請した際、新型コロナウイルスの感染拡大状況などを理由に認められず精神的苦痛を被ったとして、元従業員が330万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で札幌高裁は13日、ホテル側に33万円の賠償を命じた。賠償請求を棄却した一審札幌地裁判決を変更した。
 判決などによると、元従業員は2020年2月、結婚式出席のため同年3月18~25日の有給休暇を申請。ホテル側はコロナ禍の状況などを踏まえ、渡航を禁止するため同月17日に休暇を認めない判断をした。
 小河原寧裁判長は判決理由で「コロナに感染する危険や感染した場合の事業運営への影響は、北海道独自の緊急事態宣言が発表された2月末ごろか、遅くとも3月14日までには認識可能だった」として、休暇前日になって認めなかったことについて「遅きに失し、違法性があると言わざるを得ない」とした。
 京王プラザホテル札幌は「判決の内容を精査し、対応を検討する」とコメントした。
(共同通信社)