実質賃金2カ月連続プラス 7月、0・4%増 物価高もボーナス後押し

 厚生労働省が5日公表した7月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動を考慮した1人当たりの実質賃金は前年同月から0・4%増え、2カ月連続のプラスとなった。2年3カ月ぶりの増加に転じた6月に続き、春闘による賃上げに加えて夏の賞与(ボーナス)が後押しした。ただ物価上昇も依然として高水準で、プラスを維持できるかどうかは見通せない。
 厚労省の担当者は「ボーナスを支給した事業所が昨年よりも増えたとみられる」と分析。今後は賃金の伸びが鈍化する見通しで「物価次第でマイナスに転じる可能性もある」とした。
 名目賃金に当たる現金給与総額は3・6%増の40万3490円で、31カ月連続のプラス。3・2%上がった消費者物価指数と差し引きした実質賃金もプラスとなった。
 現金給与総額の内訳は所定内給与が2・7%増の26万5093円で31年8カ月ぶりの高い伸びだった。残業代などの所定外給与が0・1%減の1万9590円、主にボーナスが占める「特別に支払われた給与」は6・2%増の11万8807円。
 現金給与総額を就業形態別に見ると、一般労働者は3・6%増の52万9266円、パートタイム労働者が3・9%増の11万4729円だった。
 実質賃金は2022年4月以降、円安や原油高などの影響で過去最長のマイナスが続いたが、今年6月(確報)は1・1%増と2年3カ月ぶりのプラスに転じた。
(共同通信社)