物価高が長期化する中、大企業を中心とした賃上げの流れを中小企業に波及させ、家計を支えることが課題だ。概算要求では、労務費や原材料費などの上昇分を取引価格に転嫁しやすい環境の整備を盛り込んだ。賃上げにつながる個人のリスキリング(学び直し)の支援も強化する。
公正取引委員会は、価格の据え置きを求めるなど「下請けいじめ」に対する取り締まりを強化する。経済産業省は金額を示さない「事項要求」として、物価高の中で生産性向上に取り組む中小企業などの成長の下支え策を求めた。
厚生労働省は、リスキリングのために休暇を無給で取る労働者に対し、給付金を出す制度を創設。農林水産省は、ロシアのウクライナ侵攻で輸入価格が高騰した経緯も踏まえ、食料安全保障の面からも小麦や大豆などの国産化を進める。
現状では、政府は物価高対策としてエネルギー価格を抑えている。電気やガス料金の補助金は5月使用分でいったん終了したが、8~10月使用分の負担を軽減。ガソリンなどの燃油価格を抑制する補助金は年内に限り継続する。
(共同通信社)