BMに55万円支払い命令 パワハラ認定、岐阜地裁

  中古車販売大手ビッグモーター(BM)の岐阜県各務原市の店舗で店長として働き、2022年に29歳で亡くなった男性の両親=静岡県掛川市=が、男性が社内で上司からパワハラを受けていたなどとして、計約2100万円の支払いを求めた訴訟の判決で、岐阜地裁(松田敦子裁判官)は8日、「何年店長やってんだよ」という暴言などパワハラがあったと認め、同社に55万円の支払いを命じた。
 判決によると、男性は21年5月以降、他の店長らが参加するLINE(ライン)グループ内で「日本語大丈夫?」「会話すら成立しないなら店長下りろタコが」といった暴言を受けた。
 松田裁判官は上司からラインで厳しい文言を畳みかけられ、高圧的に回答を求められていたと指摘。こうした指導自体もパワハラだとした。
 両親はパワハラでうつ病を発症したと訴訟で主張したが、判決は因果関係を否定。未払い賃金の請求も退けた。両親によると、男性は22年9月に交通事故で亡くなった。
 BMは保険金不正請求が問題となり、主要事業を引き継いだ「WECARS(ウィーカーズ)」が今年5月に発足した。BM代理人の弁護士は「何も発表することはない」とした。
(共同通信社)