経団連が5日発表した2024年春闘の最終集計によると、定期昇給やベースアップ(ベア)を含む大手企業の月給の賃上げ率は平均5・58%と、バブル期だった1991年(5・60%)以来、33年ぶりに5%を超えた。回答された平均引き上げ額は1万9210円で、現行の集計方法を採用した76年以降で最高だった。
前年は賃上げ率が3・99%、引き上げ額は1万3362円。今春闘では、食品やエネルギー価格の高騰から従業員の生活を守ると同時に、人材の確保と定着を図るため大幅な賃上げとなった。
経団連の担当者は「来年以降も賃上げのモメンタム(勢い)を継続するため、中小企業への波及が大事だ」と話した。
製造業の賃上げ率は5・79%、引き上げ額が1万9636円。非製造業は5・01%で1万7969円となった。
業種別の賃上げ率では、12・04%の鉄鋼が最も高く、10・15%の情報通信、6・67%の機械金属が続いた。引き上げ額は鉄鋼の3万7528円が最も高かった。鉄鋼大手は2年に1度の労使交渉が慣例で、23年は見送っていた。この間に上昇した物価に追い付く賃金を確保するため、他業種よりも高水準の賃上げとなった。
調査は従業員500人以上の大企業(22業種244社)が対象で、集計可能な18業種135社の結果をまとめた。
(共同通信社)