厚生労働省が31日発表した2023年度雇用均等基本調査によると、男性の育児休業取得率は30・1%だった。22年度の17・1%から急増。11年連続で上昇し、調査開始以来、初めて30%を超えた。22年4月から、妊娠出産を申し出た労働者に対する育休制度の周知、意向確認が事業主に義務付けられたことなどが背景にある。女性は3・9ポイント増の84・1%だった。
政府は、民間企業の男性育休取得率を「25年までに50%」とする目標を掲げている。実現には一層の促進策が求められそうだ。
男性の育休は期間も延びている。「1~3カ月未満」は18年度に11・9%だったが、今回は28・0%に増えた。逆に18年度は70%を超えていた「2週間未満」は40%を下回った。
事業所の規模別でみると500人以上は34・2%だった一方で、5~29人は26・2%にとどまった。厚労省の担当者は中小企業では人繰りが厳しいことに加え「就業規則の改定などに手が回らない可能性もある」との見方を示した。
産業別では、生活関連サービス・娯楽業が55・3%、金融・保険業が43・8%だったのに対し、不動産・物品賃貸業は16・9%、宿泊・飲食サービス業21・1%で、全体の底上げも課題だ。
今回の数値は21年10月1日から22年9月30日までの1年間に子どもが生まれた人のうち、23年10月1日までに育休を取得した人の割合。常用労働者5人以上の事業所6300カ所を対象に調査し3495カ所が回答した。
(共同通信社)