障害者の就職、過去最多 ハローワーク通じ11万人

 厚生労働省は28日、仕事によってうつ病などの精神障害を発症し、2023年度に労災認定を受けたのは883件だったと発表した。前年度から173件増加し、統計を始めた1983年度以降の過去最多を5年連続で更新した。自殺や自殺未遂に至ったケースは計79件で、前年度より12件多かった。
 厚生労働省は28日、2023年度にハローワークを通じて就職した障害者が延べ11万756人で、19年度の10万3163人を上回り、過去最多を更新したと発表した。コロナ禍が落ち着いたことによる求人数の増加や、民間企業の法定雇用率引き上げなどが要因とみられる。新たに就職を希望した人は前年度比6・9%増の24万9490人だった。
 就職者は前年度比8・0%増。就職者数はコロナ禍の20年度に9万人を割り込んだが、その後3年連続で増加している。
 就職した人を障害種別で見ると、精神障害が6万598人、身体障害2万2912人、知的障害2万2201人だった。
 都道府県別では大阪が最多の8454人で、愛知が6941人、東京が6904人と続いた。最も少なかったのは高知の724人だった。就職希望者に対する就職件数の割合は全国平均が44・4%。鳥取が最も高く61・0%、次いで徳島と愛媛が58・3%。埼玉、東京、神奈川は30%台だった。
 障害者雇用促進法は、国や自治体、企業に一定割合以上の障害者を雇用するよう義務付けている。24年4月からは2・3%から2・5%へ引き上げられた。
(共同通信社)