男性の過労死認め賠償命令 宮崎交通に3千万円超

 宮崎交通(宮崎市)のグループ会社に出向していた同市の男性=当時(37)=が2012年に突然死したのは過労が原因だとして、遺族が宮崎交通に約6千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、宮崎地裁は15日、死亡との因果関係を認め、約3500万円の支払いを命じた。
 後藤誠裁判長は判決理由で「恒常的な時間外労働の継続で疲労が蓄積する中、出張やクレーム対応といった負荷が集中した」と判断。会社側が労働時間の把握義務を怠ったと指摘した。
 判決によると、男性は1997年に宮崎交通に雇用され、03年からグループ会社の営業部に所属。福岡出張から帰宅後の12年5月26日未明、倒れているのを家族が見つけ、搬送先の病院で死亡が確認された。死亡までの半年間、月の時間外労働は45時間を超えていた。
 遺族は労災保険給付の不支給処分取り消しを求め提訴し、業務起因性を認める判決が17年に確定。労災と認められた。
 遺族は「会社は判決を受け止め、社員を大事にしてほしい」とコメントを出した。宮崎交通は取材に「判決文は受け取っておらず、コメントは差し控える」と回答した。
(共同通信社)