障害者雇用代行、認識に差 企業側に比べ本人は低評価

 障害者が働く場や業務を企業に提供する雇用代行ビジネスについて、有識者らのグループが調査した結果、ビジネス事業者や利用企業が考えているほどには障害者は満足しておらず、昇給の状況などでも認識に差があることが分かった。16日に発表した。
 代行ビジネスを巡っては「法律で義務付けられた雇用率(現在2・3%)達成のために使われている」との批判がある。ビジネス事業者や利用企業は意義をPRしているが、実態を誇張している可能性がありそうだ。
 調査したのは、障害者の就労支援事業者や有識者らでつくる民間の検討会(座長・中島隆信慶応大教授)。昨年7月~今年1月、農園などで働く障害者91人とビジネス事業者7社、利用企業23社に聞き取りやアンケートをした。
 働いている障害者の満足度を尋ねると、利用企業は「とても満足していると思う」との回答が56・5%だったが、当事者は17・6%にとどまった。当事者の25・3%は「不満」と答えたのに対し、そう認識している利用企業はゼロだった。
 ビジネス事業者の57・1%、利用企業の43・5%は「昇給することがある」と答えたが、当事者では16・5%だった。障害者は利用企業に雇用されているものの、「社員としての実感がある」との回答は半数強にとどまった。
(共同通信社)