時給18カ月連続前年超え 2月全国平均1233円

 パートタイムやアルバイトの時給は過去最高水準で推移している。民間調査では全国の2月の平均時給は1233円で、18カ月連続で前年同月を上回った。パート従業員が多い小売りや外食業界では、消費者の節約志向の強まりなど経営環境に逆風が吹いているものの、待遇改善による人材確保を優先していることが浮き彫りとなった。
 求人情報サイトを運営するマイナビ(東京)によると、平均時給は2023年7月に1200円を超え、9月から今年1月まで5カ月連続で過去最高を更新した。上昇ペースに目立った地域差はなく、職種では小売りや外食の求人が堅調だ。
 経営が苦しい中で賃上げを決めた企業もある。作業服大手ワークマンは昨年11月に社員とパートの賃金を平均で5・1%引き上げると発表した。円安で減益が続く中ではあるが「賃上げで従業員の生活を守る」としており、人材のつなぎ留めに必死だ。
 今春闘で上昇傾向に弾みがつくことになるが、賃上げの流れが定着するかどうかは不透明だ。
 14日のUAゼンセンの記者会見で担当者は、交渉過程で「(仕入れ価格の上昇など)コスト増の中で人件費の増加分をどう確保するのか悩む経営側の発言が続いた」と明かした。賃上げが消費の拡大につながるかどうかが鍵を握りそうだ。
(共同通信社)