厚生労働省は13日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会を開き、配偶者の死亡に伴って受け取る遺族厚生年金の男女差の是正に向けた具体策を議論した。現在は受給する男性の年齢要件などが女性に比べて厳しくなっており、見直す方向で検討する。年内に結論を出し、2025年の通常国会で制度改正の関連法案提出を目指す。
現行制度は男性が家計の主な担い手だった時代の考え方を背景に設計されており、共働きが増える中で見直しの必要性が高まっている。
遺族年金には遺族基礎年金と会社員向けの遺族厚生年金がある。遺族厚生年金は男女別や子どもの有無で受給要件が分かれている。原則18歳以下の子がいない夫婦のケースでは、夫の死亡時、妻は年齢にかかわらず受け取れる。40歳以上だと加算がある。これに対し夫は妻の死亡時に55歳以上が対象で、受給開始は原則60歳からとなっている。加算はない。
部会では、女性の就労が進んでいる状況を踏まえ、女性の要件を男性に近づけるよう求める意見が多かった。男性の年齢要件を引き下げるべきだとの声もあった。女性の加算を巡り「就労意欲を阻害する」「見直す時期に来ている」として廃止を訴える委員もいた。
(共同通信社)