山口県宇部市の宇部中央消防署員松永拓也さん=当時(27)=が2019年に自殺したのは上司のパワハラなどが原因として、両親が宇部・山陽小野田消防組合に、約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、山口地裁(秋信治也裁判長)は13日、組合側に賠償を命じた。
訴状によると、松永さんは14年ごろから、上司による長時間の叱責など多数回のパワハラで多大な精神的苦痛を受けており、適切な処分や調査をしなかった幹部らに大きな絶望を感じ、自殺に至った。
消防側は、当時の上司らを懲戒処分にするなどしたが、自殺との因果関係は否定。両親が訴えるパワハラの多くはなかったとして請求棄却を求めていた。
松永さんは19年1月、消防内のパワハラ問題を訴えた遺書を残し、アパートで死亡しているのが見つかった。21年には、上司からハラスメントを受け、何らかの精神疾患を発症し自殺したとして公務災害に認定された。
(共同通信社)