政府が16日まとめた物流の「2024年問題」に対応する中長期計画は、トラック運転手の大幅な賃上げを掲げた。国土交通省は、目安となる「標準的な運賃」を平均で8%引き上げるほか、荷積みや荷降ろしなど作業費も加え、24年度に10%程度の賃上げを実現したい考えだ。
「標準的な運賃」は、立場が弱い運送業者が荷主との交渉で不利にならないようにするため、18年に創設。車種や距離などに応じて算出し、全国10地域ごとに告示している。
国交省は燃料費上昇などを踏まえ「標準的な運賃」を改定する。例えば東北で中型車が10キロメートル運ぶ場合、約10%増の1万5360円とする。
荷積みなどの作業は、契約で取り決めていないのに、運送業者が強いられ、対価もきちんと受け取れていないケースが多い。改定では、中型車に積み込む際、フォークリフトなら30分2180円、手作業なら同2100円などと明示する。
ただ「標準的な運賃」は強制力がない。国交省は、不当な安値を迫る企業への監視体制を強化している。
(共同通信社)