児童手当、高校生まで拡充 財源確保へ支援金創設 少子化対策、育休給付増 政府が法案決定

 政府は16日、児童手当の対象を高校生の年代まで拡充することを柱とした少子化対策関連法案を閣議決定した。子育て中に受け取れる育児休業給付も充実させる。2024年度から順次実施する。財源確保のため公的医療保険料に上乗せして徴収する「子ども・子育て支援金」を26年4月に創設することも盛り込んだ。今国会に法案を提出して成立を目指す。
 岸田文雄首相は人口減少を日本社会最大の課題としており、少子化に歯止めをかけられるかどうかが焦点となる。
 経済的支援のうち、児童手当は(1)所得制限を撤廃(2)現在0歳から中学生までの支給対象を高校生年代に延長(3)第3子以降は3万円に倍増-とする。24年10月の支給分から適用する。低所得のひとり親世帯向けの児童扶養手当も子どもが3人以上いる多子世帯の加算を増やす。
 育休給付は現在、手取り収入の実質8割を受け取れる。25年4月からは、両親が共に14日以上の育休を取った場合、最大28日間、実質10割に引き上げる。2歳未満の子どもがいる短時間勤務者には、賃金の10%を上乗せして支給する。
 自営業者やフリーランスが入る国民年金の保険料(24年度は月額1万6980円)に関し、26年10月から、両親を対象に、子どもが1歳になるまで免除する。
 保育サービスも強化する。親の就労に関係なく子どもを預けられる「こども誰でも通園制度」を26年4月から全国で開始。生後6カ月~3歳未満が対象で、利用時間は月10時間以上とする。
 財源となる支援金は、徴収総額を初年度は6千億円とし、28年度の1兆円へ順次引き上げる。政府は26~28年度の1人当たりの月平均の負担額を300~500円弱と試算している。
(共同通信社)