2013年、サウジアラビアに出張し船の補修作業に従事していた30代の男性が死亡したのは、勤務していた横浜市の船舶修理会社が適切な対策を怠り熱中症になったためだとして、遺族が会社側に約6350万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁小倉支部は13日、熱中症を発症したと認定し約4860万円の支払いを命じた。
寺垣孝彦裁判長は判決理由で、会社が休憩時間確保などの予防措置を講じていたと認める一方、気温だけでなく湿度や風速などを考慮し、熱中症の危険度を表す指数について「確認する意識を欠いていた」と指摘。体調などの確認をしないまま作業に従事させていたとし、会社の対応が不十分だったと判断した。
判決によると、男性は13年8月17日から屋外作業に当たっていたが、その後体調不良を訴えて休養。同29日に死亡した。
原告側によると、北九州東労働基準監督署が、男性は熱中症による脱水などが原因で死亡したとして労災認定していた。
男性が勤務していた会社は取材に「担当者が不在でコメントできない」と話した。
(共同通信社)