北海道雄武町の男性職員=当時(45)=が自殺したのは過重労働が原因だとして、遺族が町に約8100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌地裁は6日、町に約6500万円の支払いを命じた。
判決理由で布施雄士裁判長は「町が男性へのサポートを特段せず、注意義務を履行していなかった」と指摘。一方、子どもの扶養にかかる金額の算定などを巡り、請求の一部を退けた。
判決によると、男性は1988年から町役場で勤務し、2015年4月から産業振興課の二つの係長職を兼務。同11月ごろ精神疾患を発症し、12月に自宅で死亡した。9月25日から30日間の時間外勤務は109時間を超えた。町は負荷が過度にならないよう注意する義務を怠った。
原告側の代理人弁護士は判決後、提訴時点では約8200万円を請求したが、訴訟の過程で約100万円減額したと明らかにした。
自死については21年、公務外と認定した地方公務員災害補償基金の処分を取り消す判決が札幌高裁で確定した後、町も責任を認める調査結果をまとめた。遺族が22年に提訴した。
(共同通信社)