私大支援事業で便宜を図ってもらう見返りに文部科学省局長の次男を合格させたとして贈賄罪に問われ、一審で執行猶予付きの有罪判決を受けた前東京医科大学長鈴木衛被告(74)=控訴審公判中=が、大学に退職金約2千万円の支払いを求めた民事訴訟の判決で、東京地裁は29日、約1590万円の支払いを命じた。
東京医大では定年退職後も役員として勤務を続けた場合、役員退任時に一括して退職金が払われていた。小原一人裁判長は「勤務していた18年間、教職員としての非違行為はなかった」と指摘。特定の受験者への得点加算については学長の職務に関して行われたと認め、役員としての退職金請求は棄却した。
判決によると、鈴木被告は学長在任中の2015年3月に教職員としての定年退職を迎えたが退職金は支払われなかった。事件発覚後の18年7月に学長の辞表を提出した。
(共同通信社)