精神障害等を発症させない職場環境整備に向けた具体策
心理的負荷による精神障害の労災請求事案については、「心理的負荷による精神障害の認定基準について」(平23.12.26 基発1226第1、令 2. 5.29 基発0529第1、令 2. 8.21 基発0821第4)に基づき労災認定が行われてきた。同基準の策定から約12年が経過する中で、近年の社会情勢の変化や労災請求件数の増加等に鑑み、令和5(2023)年9月、心理的負荷による精神障害の認定基準が改正された(同月1日から施行)。精神障害の労災認定基準として用いられる「業務による心理的負荷評価表」にカスタマーハラスメントが追加されたほか、精神障害の悪化の業務起因性が認められる範囲が変更となるなど、企業の安全配慮義務に係る職場環境整備等の取り組みにもインパクトを与える見直し内容となっている。
そこで、改正認定基準の内容と実務への影響、これらを踏まえ精神障害等を発症させない職場環境整備などの企業が取るべき対応について、岩出 誠弁護士に解説いただいた。