三菱重工業下関造船所(山口県下関市)で働きじん肺になったとして、下請け会社の元作業員2人の遺族が損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、広島高裁が一審山口地裁下関支部判決を取り消し、2人の遺族にそれぞれ1430万円を支払うよう命じる判決を言い渡したことが19日、原告代理人への取材で分かった。一審判決は1人の請求のみを認め、もう1人については退けていた。
小池明善裁判長は判決理由で、一審で請求を棄却された男性について「少なくとも14年にわたってじん肺にり患する程度の粉じんの暴露があった」とし、「会社側に安全配慮義務の違反があった」と結論づけた。
三菱重工業は「判決文を精査してから、対応を検討したい」とコメントした。
一審判決では、2017年に死亡した岡村邁史さん=当時(77)=について遺族に計1430万円を支払うよう命じた一方、18年に死亡した男性=当時(92)=は造船所での勤務実態が明らかでないなどとし、遺族の訴えを退けた。
(共同通信社)
2024年01月19日 共同通信社