11月実質賃金3・0%減 20カ月連続マイナス 物価上昇に追い付かず

 厚生労働省が10日発表した11月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動を加味した実質賃金は、前年同月比3・0%減で、20カ月連続のマイナスとなった。名目賃金に当たる現金給与総額はわずかに増えたものの、高水準で推移する物価上昇に賃金の伸びが追いつかない状況が続く。
 現金給与総額は0・2%増の28万8741円で、23カ月連続のプラス。比較可能な1991年以降、プラスが続く期間としては91年1月~92年11月の23カ月と並んで最長となった。
 現金給与総額のうち、基本給を中心とした所定内給与は1・2%増の25万2591円。このほか、残業代などの所定外給与は0・9%増の1万9788円、主にボーナスが占める「特別に支払われた給与」は13・2%減の1万6362円だった。
 就業形態別に現金給与総額を見ると、一般労働者が0・3%増の37万7001円、パートタイム労働者が2・5%増の10万4253円だった。
 主要産業別での現金給与総額の増減率は、電気・ガス業が5・8%増、金融業・保険業が4・9%増だった一方、建設業は2・7%減だった。
 1人当たりの総実労働時間は138・8時間で、前年同月と同水準だった。
(共同通信社)