被害の実態と、有効な予防策を構築するポイント
近年の就職活動(就活)は非常に多様化している。エントリーシートや面接による選考に加え、さまざまな形態のインターンシップや、マッチングアプリを活用したOB・OG訪問なども一般的だ。一方、就職活動中の学生(就活生)と従業員の接点が多様になることで、就活生に対するハラスメント(いわゆる「就活ハラスメント」)の発生リスクは増加していると考えられる。2020年に厚生労働省が実施した調査によると、就活生等の25.5%、実に4人に1人以上が就活等でセクシュアルハラスメント(以下、セクハラ)を受けたと回答しており、非常に深刻な状況にあるといえる。就活ハラスメントが決して許されない行為であるのはもちろんのこと、ひとたびその事実が明るみに出れば、企業は社会的信用を失い大きなダメージを受けることになるため、就活ハラスメントの防止は企業にとって重要な課題といえる。
そこで本記事では、中町誠法律事務所の中井智子弁護士に、就活ハラスメントの実態や関連の法制度等を整理いただくとともに、発生を防止するためのポイントについて解説いただいた。本格化する採用活動への備えとして、ぜひご一読いただきたい。

なかい ともこ
弁護士(中町誠法律事務所)