休業被災者に失業給付検討 企業への助成拡充も、政府

 政府は9日、能登半島地震で勤務先の事業所が休業した被災者に対し、雇用保険の特例措置として、本来は解雇時などに受け取れる失業給付を支払う検討に入った。失業給付とは別に、休業手当を従業員らに支給する企業への助成金を拡充することも調整する。

 岸田文雄首相が同日の非常災害対策本部会議で、被災地の雇用維持に向け雇用保険法などの特例措置を検討するよう指示した。厚生労働省が熊本地震など過去の災害時の対応を踏まえ、具体策や開始時期を詰める。

 熊本地震では激甚災害の指定に伴い、失業給付について同様の措置を講じた。

 休業手当を支給する企業が国から受け取る雇用調整助成金は要件緩和などを協議する。通常は、直近3カ月の売り上げなどの平均が前年同期に比べて10%以上減った場合が対象だが、期間を直近1カ月に短縮し、助成率の引き上げも想定する。

(共同通信社)