「着替えは労働時間」認定 日本郵便に賠償命令

 日本郵便近畿支社管内の郵便局職員ら44人が、制服に着替える時間が労働時間として認められず割増賃金が支払われないのは不当だとして、同社に計約1500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、神戸地裁は22日、着替えは労働時間と認め約40人に計約320万円を支払うよう命じた。
 島岡大雄裁判長は判決理由で、同社が制服を着用しての通勤禁止をうかがわせる資料を作成していたことなどから、職員は制服の着用や郵便局内の更衣室で着替えることを義務付けられていたと指摘。着替えの時間は同社の指揮監督命令下に置かれていたと判断した。
 一方、毎回の出退勤時の着替えや更衣室への移動に約14分かかるという原告の主張は退けた。原告らが請求した割増賃金額については、20~35%の支払いが相当と判断した。
 日本郵便は「(請求棄却の)主張が認められず、控訴を予定している」とコメントした。
 2016年には静岡県内の郵便局などに勤務する3人が計約58万円を求める同種訴訟を静岡地裁浜松支部に起こし、ほぼ全額を支払う内容で和解が成立していた。
(共同通信社)