松山大、裁量制導入は違法 教授の残業代支払い命じる

 松山大(松山市)が2018年、教員に適用した「専門業務型裁量労働制」の前提となる労使協定は無効だとして、教授3人が大学側に未払い残業代や損害賠償を求めた訴訟の判決で、松山地裁(柴田憲史裁判長)は20日、制度適用は違法として、大学側に残業代の一部など計約1800万円の支払いを命じた。
 専門業務型裁量労働制は、仕事の進め方などを労働者に委ねる業務を対象に、あらかじめ決めた時間を働いたとみなす。労働基準法は制度の採用に当たり、労働者の過半数を代表する者と使用者側で労使協定を結ぶよう定める。
 柴田裁判長は判決理由で、17年度に選ばれた労働者代表の教授について、支持が選挙権者の約25%にとどまると指摘。「過半数を代表する者とは認められない」として、この教授が締結した裁量労働制に関する労使協定は無効と判断した。
 その上で深夜・休日労働の割増賃金が未払いだとして、請求の一部を認めた。松山大は「判決内容を精査の上、適切に対応する」とコメントした。
(共同通信社)