2023年12月13日  共同通信社

石綿、1133事業所公表 昨年度の労災認定、厚労省

 厚生労働省は13日、アスベスト(石綿)が原因の疾患で2022年度に労災認定された人や、特別遺族給付金の対象となった人が働いていた全国1133事業所の名称や所在地、従事した作業内容を公表した。このうち新たに公表されたのは860事業所。同省のホームページで閲覧できる。
 石綿による肺がんや中皮腫は、発症まで数十年の潜伏期間がある。厚労省は該当事業所での勤務経験者や周辺住民に健康状態を確認してもらうため、毎年公表している。22年度の労災認定は1140件で、労災の時効5年を超えた場合の石綿救済法に基づく特別遺族給付金の支給決定は170件だった。
 厚労省が14、15日の午前10時~午後5時に設置する特別電話相談窓口の番号は03(3595)3402。各地の労働局などでも随時相談を受ける。
 民間団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」も14、15日の午前10時~午後7時、無料の電話(0120)117554で相談に応じる。担当者は「肺がんの場合、喫煙歴があると労災申請をためらう人もいるが、実際は認められることが多く、諦めずに申請してほしい」と呼びかけている。
(共同通信社)