寒冷地手当なし格差認めず 日本郵便、契約社員が敗訴

 日本郵便の契約社員や元契約社員の計6人が、同じ仕事をしている正社員には支給される寒冷地手当が払われないのは不当な格差だとして、同社に手当など約55万円の支払いを求めた訴訟の判決で、札幌地裁は21日、請求を棄却した。
 右田晃一裁判長は、正社員の基本給は全国一律で、寒冷地勤務に伴う出費を補い均衡を図ることが手当の目的だと指摘。一方、契約社員の基本給は各地域の生計費の違いが考慮された最低賃金を基に決められているとして「労働条件に相違があることは不合理とは言えない」と判断した。
 契約社員ら154人が2020年、待遇改善を求めて全国7地裁に起こした集団訴訟の一つ。各地で和解が成立し、札幌でも22年に住居手当や年末年始勤務手当について和解したが、寒冷地手当は係争が続いていた。
 判決後の記者会見で40代の男性原告は「暖房は正社員も非正規雇用でも同じように使う。少しでも寒冷地手当を認めてほしかった」と話した。
(共同通信社)