介護保険料増額140万人 65歳以上の高所得層 非課税1300万人は軽減

 厚生労働省は6日、所得が高い65歳以上の高齢者の介護保険料を増額する案を、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)部会に示し、大筋で了承された。年間所得410万円以上の約140万人を想定。所得が最も高い層では保険料が月最大約5千円増える可能性がある。増収分を使って、世帯全員が市町村民税非課税の低所得者約1300万人の保険料は引き下げる。2024年度開始を目指す。
 高齢化に伴って介護費が膨らみ、介護保険料が上昇していく中、支払い能力に応じた負担の仕組みを強化。低所得者の保険料の増加を抑制し、制度の持続性を高める狙い。
 65歳以上の保険料は運営主体である市町村ごとに基準額を決め、所得の段階に応じて基準額が増減する。現在の基準額の全国平均は月6014円。厚労省は標準的な方式として所得を9段階に分けており、最も高い9段目「320万円以上」の人は基準額の1・7倍の保険料(月約1万円)を支払っている。
 厚労省案では、320万円以上の段階を細分化し「410万円以上」「500万円以上」「590万円以上」「680万円以上」の4段階を新設し計13段階とする。最も高い680万円以上の人は基準額の最大2・6倍(月約1万5千円)へ引き上げる。
 65歳以上で世帯全員が市町村民税非課税の1~3段目の保険料(基準額の0・3~0・7倍)は、0・26~0・69倍へ引き下げる。
 実際は多くの自治体が既に10段階以上を設定しており、現在の保険料と大きく変わらない人もいるとみられる。
(共同通信社)