年休取得率最高の62・1% 22年、政府目標とは開き

 厚生労働省が31日発表した就労条件総合調査によると、企業で働く人が2022年に取得した年次有給休暇(年休)の平均日数は、前年から0・6日増えて10・9日だった。付与された年休の日数のうち、実際に取得した割合の平均取得率は3・8%増の62・1%と過去最高。ただ政府が過労死防止大綱で掲げる「25年までに70%以上」の目標とはなお開きがある。
 取得率を企業規模別に見ると、千人以上が65・6%に対し、30~99人は57・1%にとどまった。
 業種別では、郵便局などの複合サービス事業が74・8%で最も高く、宿泊・飲食サービス業が49・1%で最も低かった。
 政府は、働き方改革の一環として、終業から次の始業までに一定の休息時間を設ける「勤務間インターバル制度」に関し、25年までに実施企業の割合を15%以上にする目標だ。実際に「導入している」と答えた企業は6・0%にとどまった。
 厚労省は調査で、退職時の一時金や年金の制度の有無について、5年に1度質問している。今回、「ある」と回答した企業の割合は74・9%だった。5年前の17年の80・5%から減少した。
 調査は従業員30人以上の民間企業6421社を対象に1月に実施し、3768社から回答を得た。
(共同通信社)