2023年10月27日掲載

BOOK REVIEW - 『令和の管理職の必須スキル 職場にやる気が湧いてくる対話の技法』

髙木 穣 著
株式会社スコラ・コンサルト プロセスデザイナー 
四六判/188ページ/1600円+税/同文舘出版 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 「タテ社会」「気合と根性」「効率化と成果主義」といった昭和・平成時代のマネジメントで育った管理職やリーダーは現在、チームメンバーの特性を認め、助け合い、チャレンジするという「チームワーク型マネジメント」への転換を求められている。このような令和時代のマネジメントを習得するためには、管理職やリーダーの「対話の場づくり」「対話の方法」が重要となる。本書は、組織風土改革のコンサルタントとして活躍する筆者が、対話のノウハウを余すところなく解説したものである。

■ 全10章構成のうち、第1章では、1on1やオンライン会議などマネジメントにおける近年の環境変化に触れ、コミュニケーション不全の問題がどのように起きているのかを俯瞰(ふかん)する。中盤の第5章では、筆者の組織風土改革支援の経験を基に、具体的な実践論を展開する。中でも、仕事以外の自分エピソードや仕事・会社に関して感じていることをメンバー同士で語り・聴き合う「ジブンガタリ」を推奨している。また、第6章では対話の研究者であるウィリアム・アイザックスのモデルを参考にスコラ・コンサルト社が作成した「対話の4フェーズ」を紹介し、「本音が言えない」「自分の考えに固執する」「答えが見つからない」といった対話の進化を阻む壁とその乗り越え方を説明する。

■ 管理職やリーダーと部下の対話によって、仕事の中に「やりたいこと」や「得意なこと」を増やし、部署のメンバーが助け合う組織にできる。その上で、一人ひとりが自分らしく活躍しながら、集団としてのパフォーマンスも上がる状態を目指すことが重要だと筆者は述べる。「部下のやる気が感じられない」「メンタル不調者や退職者を減らしたい」――といった思いを持つ管理職やリーダー、組織風土改革の担当者に手に取っていただきたい一冊だ。

令和の管理職の必須スキル 職場にやる気が湧いてくる対話の技法

内容紹介
元気な職場、新しいものを生み出す職場には、対話の“場”があります。

対話によって部署のメンバーが助け合う組織になれば、一人ひとりが自分らしく活躍しながら、集団としてのパフォーマンスも上がる。

こんな職場に「対話力」を!
・ここ数年、若手が定着しない
・会議で意見を求めても、だれも発言しない
・1on1ミーティングが普通の進捗確認になっている
・心理的安全性を高めようとした結果、わがまま社員が増えた

部下のやる気が感じられない、メンタル不調者や退職者を減らしたい
――そんな管理職のための対話力アップの教科書