賃上げ「5%以上」要求へ 連合、24年春闘方針固める 物価高踏まえ、強い表現に

 連合が2024年春闘の賃上げ要求を「5%以上」とする方針案を固めたことが17日、関係者への取材で分かった。23年春闘の「5%程度」よりも表現を強め、歴史的な物価高に見合った賃金の実現を目指す。一方で、原材料費の高騰などを背景に、中小など一部企業の経営が厳しいことを考慮して数値の引き上げは見送る。
 連合傘下の労働組合は23年春闘で、29年ぶりの高水準となる3・58%の賃上げを勝ち取ったが、物価高で実質賃金はマイナスが続いている。関係者によると、こうした状況を踏まえ、基本給のベースアップ(ベア)を3%以上とし、定期昇給と合わせ、5%以上の賃上げを求める。
 方針案は17日に開かれた連合の三役会で示された。19日の中央執行委員会で議論された後、24年春闘の「基本構想」に盛り込まれる見通し。
 賃上げは政府にとっても重要課題。23年春闘では、8年ぶりの政労使会議が開かれ、岸田文雄首相と連合、経団連の両トップが実現に向けて意見交換した。大手企業の労組には要求への満額回答が相次いだが、中小企業などでは苦戦を強いられるところもあった。
 賃上げしても物価高に追い付かない状況が続いており、厚生労働省の統計によると、物価変動を加味した今年8月の実質賃金は前年同月比2・5%減で、17カ月連続のマイナスとなっている。
(共同通信社)