勤務医、残業上限超え21% 働き方改革、22年調査

 医師の働き方改革の来年4月施行に向けた厚生労働省検討会が12日に開かれ、同省が、病院常勤医の勤務状況などに関する2022年調査の結果を示した。時間外や休日労働の残業時間が上限(年960時間換算)超えに該当する、週60時間以上の労働時間だった医師の割合は約21%となった。前回19年調査は約38%だった。
 医師の働き方改革は、時間外・休日労働を罰則付きで原則年960時間に規制。救急医療やへき地医療などを担う医師や、技能習得に取り組む研修医らの上限を年1860時間とする特例も期間を区切って設ける。
 調査は昨年7月に実施し、分析対象となる1万1466人分の回答をまとめた。年換算で1920時間を超える残業時間となる週80時間以上労働の医師は3・6%。診療科別で残業の多い医師がいる割合が高いのは脳神経外科、外科、形成外科、産婦人科、救急科の順だった。
 検討会では、有識者から「医療機関の取り組みは進んでいるが、長時間労働を引き続き是正していくべきだ」との意見が出た。
(共同通信社)