2023年09月28日  共同通信社

市の安全配慮義務認めず 病院職員自殺、静岡地裁

 静岡市の男性職員=当時(57)=が2014年に自殺したのは、長時間労働やパワハラに対して上司が適切な措置を取らなかったのが原因として、遺族が市や地方独立行政法人静岡市立静岡病院に損害賠償を求めた訴訟の判決で、静岡地裁は28日、被告側が「自殺の危険を回避すべき安全配慮義務を負っていたとは認められない」とし、請求を棄却した。
 菊池絵理裁判長は判決理由で、男性を監督する立場にあった職員がうつ病の発症や自殺する可能性を想定するのは困難だったと判断した。
 訴状によると、男性は14年4月に異動して未収納診療報酬の督促などを担当。5~9月の時間外勤務が100時間を超え、部下から罵倒を受けてうつ病を発症。12月24日に職場で自殺したとしている。
(共同通信社)