厚生労働省の有識者検討会は31日、個人で仕事を請け負う個人事業主(フリーランス)に関し、危険な業務での安全対策などを定めた労働安全衛生法の一部規定の適用対象に加えることで大筋合意した。これまで事業主と雇用関係にある労働者を保護してきたが、近年増加するフリーランスにも拡大すべきだと判断。厚労省はさらに議論を進め、法改正の手続きに入る。
検討会の報告書案によると、請け負った業務が原因で4日以上休業するけがや病気をした場合、業務の発注元や現場管理に当たる企業が、労働基準監督署に報告することを義務付けるなどの内容が盛り込まれた。
2021年5月、建設現場でのアスベストによる健康被害を巡る訴訟の最高裁判決で、フリーランスの働き手も保護対象にすべきだとの判断が示され、厚労省は有識者検討会を立ち上げて議論していた。
フリーランスはコンサルタントやデザイナー、通信販売の配達員といった幅広い分野に広がり、就業者に占める割合が増加している。
(共同通信社)