厚生労働省が31日発表した2022年度雇用均等基本調査によると、男性の育児休業取得率は前年度比3・16ポイント増の17・13%だった。10年連続で上昇し、過去最高を更新。ただ6月に閣議決定した「こども未来戦略方針」は男性の育休取得率の目標を「25年までに50%」としており、大きな差がある。同省による22年度の目標値18・0%にも達していない。
戦略方針はさらに「30年までに85%」を掲げる。男性の育休取得を推進する職場環境づくりや、政策による後押しが一層求められる。女性の22年度取得率は同4・9ポイント減の80・2%だった。
企業の課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は同0・4ポイント増の12・7%だった。
男性育休取得率を事業所規模別に見ると、500人以上は25・36%、100~499人未満が21・92%、30~99人が17・43%、5~29人が11・15%と、小さいほど低い。人手や資金に余裕がない中小企業は、育休中の代替人員確保や周囲の業務負担軽減が課題となる。
厚労省は31日、従業員千人超の大企業を対象とした別のアンケート結果も公表。男性育休の取得率は46・2%だった。
同省担当者は「機運醸成や助成金などが一定の効果を出しているが、女性に比べまだまだ低い。希望通り育休を取れる環境整備を強力に進める必要がある」とする。
22年度雇用均等基本調査では、育休取得率は、20年10月1日から21年9月30日までの1年間に子どもが生まれた人のうち、22年10月1日までに育休を取得した人の割合。
育休調査は常用労働者5人以上の事業所6300カ所を対象に実施し、53・0%に当たる3339カ所から回答を得た。
女性管理職などの調査は常用労働者10人以上の企業6千社を対象に行い、3096社が答えた。
(共同通信社)