最低賃金底上げへ新区分 中間層に17道県追加 厚労省、今夏に適用 78年以来初の再編

 厚生労働省は6日、中央最低賃金審議会(厚労相の諮問機関)を開いた。最低賃金の引き上げの目安額を示す都道府県別の区分について、現行のA-Dの四つからA-Cの三つに削減し、再編することを決めた。中間層のBに17道県を追加し、計28道府県とした。国が最低賃金の改定に向け議論を始める今夏から適用する。区分の削減は、目安制度が創設された1978年以来、初めてとなる。
 現行は、生計費や賃金など経済情勢に応じて都道府県を4区分に分け、それぞれの引き上げの目安を示してきた。最低ランクのDを廃止し、中間層の県を増やすことで、全体の水準の底上げや地域間格差の是正につなげたい考えだ。
 新区分ではA-Cの三つに分ける。東京など6都府県が入るAは変更しない。現在のBの11府県とCの14道県を、新たなBに統合する。さらに、Dの16県のうち経済情勢が比較的良い3県を引き上げ、Bを計28道府県とする。Dのうち、残る13県をCに移行する。現在のDの区分は廃止する。
 従来の区分では、Aが最も高い目安となることが多く、最も低いDとの間で差が生まれるとの指摘があった。現在の最低賃金の全国平均は時給961円。都道府県別の最高額は東京の1072円。最低額は青森や愛媛、宮崎など10県の853円で、219円の格差がある。
(共同通信社)