コロナ労災の特例廃止へ 5類移行で、厚生労働省

 新型コロナウイルス感染による労災に限り、事業者に課す保険料増額を免除してきた特例措置に関し、厚生労働省が新型コロナの「5類」移行後に廃止することが24日、関係者への取材で分かった。感染リスクが高く、労災の発生を回避しづらい医療機関や高齢者施設の負担を減らす目的だったが、感染症法上の位置付け変更に伴い、特例運用を取りやめる。
 厚労省によると、労災保険料は事業者の全額負担で、労働者が業務起因の病気やけがをする労災が起きた場合、治療費や入院費が支給される。労災を多発させた事業者は件数などに応じ、保険料負担が最大40%増額となる。
 政府は、コロナの緊急事態宣言中も医療機関などに事業継続を要請しており、働き手の感染による労災の増加で負担がさらに重くならないよう、2022年度の保険料算定から増額を免除する特例措置を取っていた。
 措置により、20年度以降に発生したコロナ関連の労災が増額免除となっていたが、5類移行後は通常通り増額の対象となる。厚労省によると、コロナ関連の労災給付件数は今年2月時点で15万4869件に上っている。
(共同通信社)