かんぽ不正、解雇は無効 日本郵便に支払い命令

 2019年に表面化したかんぽ生命保険と日本郵便による保険の不正販売問題への関与を理由に懲戒解雇されたのは不当として、日本郵便の社員だった茨城県内の50代男性が地位確認などを求めた訴訟の判決で、水戸地裁は24日、解雇は無効とし、未払い賃金など計約1200万円の支払いを命じた。日本郵便は即日控訴した。
 不正販売問題は、旧契約を解約し新契約に加入させる「乗り換え」で、顧客に保険料を二重払いさせるなどしていた。男性は20年に「意向を適切に把握せず新契約を受理した」として解雇された。
 判決理由で阿部雅彦裁判長は「不利益な事実を告げず、意向を把握することなく保険を解約、申し込みを受理したとの事実は認められない」と指摘。「懲戒解雇は無効」と述べた。
 男性は「主張が理解され満足」とのコメントを出した。代理人弁護士は「社に誠実な反省を求める」とした。
 弁護士によると、同種訴訟は札幌と水戸、金沢の各地裁で計6件起こされ、日本郵便側の敗訴は14日の札幌地裁判決に続き3度目。
(共同通信社)