札幌市の「新道東在宅診療クリニック」に勤務していた看護師が、当時の院長にマスク着用を促した際「バカ女」などと暴言を吐かれたとして、運営する「慈昂会」に220万円の損害賠償を求めた訴訟があり、札幌地裁は23日までに、元院長の発言をパワハラと認め、使用者責任として同会に11万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
22日付の判決によると、看護師は2021年3月、元院長と車で訪問診療に向かう際、マスクの着用を促したところ「医師と看護師は対等じゃない」などの暴言を繰り返し吐かれた。宇野直紀裁判官は判決理由で、発言内容は「指導、教育の範囲とは到底評価できない」と判断した。
原告側は元院長から暴行されたほか、別の元院長から退職を強要されたとも主張したが、判決はいずれも退けた。同会の代理人は取材に「こちらの主張の大部分が認められた」と述べた。
(共同通信社)