育休「応援手当」助成拡充 政府、同僚の負担軽減

 政府は20日、育児休業を取る社員の業務を引き継ぐ同僚に「応援手当」を出す中小企業の取り組みを後押しする方針を固めた。既存の助成金を拡充する。同僚の負担を軽減することで、育休を取りやすい職場環境づくりを推進する狙い。
 岸田文雄首相が17日の記者会見で、男性の育休取得促進を表明したことを踏まえた対応。一定期間の手取り収入10割を確保する育休給付引き上げと併せ、呼び水とする。厚生労働省が今後、支援を始める時期や金額などの詳細を詰める。
 拡充を検討するのは中小企業向けの「両立支援等助成金」。職場の同僚に手当を支給した際の助成は、3カ月以上の育休取得が要件となっている。男性が妻の出産後8週以内に最大4週間取得できる「産後パパ育休」のみでは対象とならないため、使いやすいよう内容を見直す。
 晩婚化に伴い、職場の中核的な業務を担う時期と子どもの誕生というライフイベントが重なる社員が増え、業務や同僚への影響を懸念して育休取得をためらうケースが少なくない。政府は大企業に比べて人員や資金の余力に乏しい中小企業を支援する。
 応援手当を巡っては、三井住友海上火災保険が育休取得社員と同じ職場の同僚に最大10万円の一時金を支給することを決めるなど企業側にも動きが出ている。
(共同通信社)