政府は「産後パパ育休」で休みを取る男性への給付金を引き上げ、計4週間、手取り収入の実質10割を受け取れるようにする検討に入った。収入が減らないようにして男性の取得を促し、子育ての負担が女性に偏っている現状を改善する狙い。産休中の女性への給付も同様に実質10割とする方向。関係者が16日、明らかにした。開始時期や財源は今後、調整を進める。
岸田文雄首相は16日の衆院本会議で、自身が掲げる「次元の異なる少子化対策」に関し「近く、目指す社会像や基本理念を話したい」と述べた。17日にも給付金引き上げを含む対策を表明する。
産後パパ育休は女性の出産から8週の間に最大4週間取得できる。現在の給付率は休業前の収入の67%で、社会保険料が免除されることを加味すると手取り収入の実質8割が補われる。政府の検討では、給付率を80%程度に引き上げ、保険料免除と合わせて実質10割とする。
産休中の女性には休業前収入の3分の2が、出産手当金として公的医療保険から支給されている。政府は出産手当金を男性と同水準まで積み増し、実質10割を目指す。
必要となる財源を巡っては、公的医療保険などの保険料を増額し少子化対策に充当する案が浮上している。
厚生労働省の2021年度調査によると、育休取得率は女性が約85%に対し、男性は約14%。
(共同通信社)