失業給付、迅速化へ検討 自己都合で、厚労省研究会

 厚生労働省は28日、雇用保険に関する有識者の研究会を開き、失業給付の要件見直しに向け検討を開始した。現在、自己都合で退職した場合は、会社都合よりも給付を受け取るまでに時間がかかるといった課題がある。委員からは、迅速化に賛成する意見が出た。今後、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)でも検討を進めていく見通し。

 失業給付はハローワークで求職を申し込み、受給資格決定後に受け取れる。倒産や解雇など会社都合の退職に比べ、自己都合の場合は、受給資格決定後から原則2カ月給付されない制限期間があるなど条件が厳しい。

 同日の研究会では、委員から「早期の(転職など)労働移動を促したいなら、制限期間の短縮は一つのアイデアだ」などの考えが示された。一方、制限期間をなくすことについては「安易な離職を招く」など複数の慎重意見が出た。

 岸田文雄首相は15日、新しい資本主義実現会議で「自己都合で離職した場合の失業給付の在り方を見直す」と表明していた。

(共同通信社)