住友不動産(東京)に勤務していた元社員の男性が、上司からパワーハラスメントを受けたなどとして、同社などに損害賠償や未払いの残業代の支払いを求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は10日、当時の営業所長によるハラスメントを認定し、計約90万円の支払いを命じた。
判決によると、愛知県日進市の営業所長は2020年、指導する際に男性の頭や顔をたたいたり、「ばかやろう」と暴言を吐いたりした。男性は同年退社した。
前田早紀子裁判官は判決理由で「業務上の指導として相当な範囲を逸脱し、ハラスメントに該当する」と指摘。慰謝料などとして77万円の賠償が相当と結論付けた。
また、同社が適用を主張する「事業場外みなし労働時間制」は男性には適用されないとして、未払いの残業代など計約13万円の支払いを命じた。
住友不動産の担当者は取材に「判決内容を精査し、対応してまいります」と話した。
(共同通信社)