非正規公務員ボーナス拡充 自治体、勤勉手当可能に 格差是正へ総務省法改正

 総務省は、自治体で働く単年度契約の非正規職員(会計年度任用職員)のボーナスを拡充する方針を固めた。公務員のボーナスは期末手当と勤勉手当で構成。会計年度任用職員には期末手当しか支給できないが、正規職員や国の非正規職員と同じく両方を支給できるようにする。格差是正が狙い。地方自治法改正案を通常国会に提出、早ければ2024年度から適用する。関係者が22日明らかにした。

 会計年度任用職員は20年4月時点で約62万人。業務は新型コロナウイルス対応など多岐にわたり、自治体運営に欠かせない。総務省は格差を是正すれば、業務への意欲が高まって行政サービスが向上し、住民にもメリットがあるとみている。

 会計年度任用職員の制度は20年度に導入され、併せて在職期間などに応じた期末手当を支給できるようになった。一方で勤務成績を考慮する勤勉手当は「検討課題」(当時の政府説明)とされ、支給に必要な法制度が未整備のままだった。

 具体的には、約55万人いるパートタイムの会計年度任用職員に対し、勤勉手当を支給する規定が地方自治法にない。約7万人いるフルタイムは、総務省通知で「勤勉手当は支給しないことが基本」とされている。総務省は法律と通知を改め、パートタイムにもフルタイムにも支給できるようにする。

 手当の水準は各自治体が決める。ある県のケースを見ると、昨年末に支給された正規職員の冬のボーナスは、期末手当が月給の1・20カ月分、勤勉手当が月給の0・95カ月分。会計年度任用職員の水準も同程度にすれば、夏と冬を合わせて一定の収入増が見込める。

 勤勉手当の支給で自治体の人件費負担は重くなる。総務省は負担を軽減するため、財政支援する方向で調整する。

(共同通信社)