学び直し企業に1億円 助成制度創設、厚労省

 

 厚生労働省は、成長分野など新たな事業展開に向けて従業員の「リスキリング(学び直し)」を実施した企業に、年最大1億円を支給する助成制度を設ける。政府が掲げる「人への投資」の一環。2022年度第2次補正予算案に制度の創設を盛り込み、年度内は計上済みの予算を活用して運営する。

 新規事業を始め、その分野の知識や技術を従業員に習得してもらうための訓練を実施した企業が対象。従業員1人当たり最大時給960円(助成率は最大75%)を支給し、年間で1億円を上限に助成する。

 岸田文雄首相はリスキリングを巡る施策に「5年間で1兆円」を投入すると表明。ITなど成長が見込まれる分野への転職支援や人材育成を通じた労働移動の促進を強調してきた。来年6月までに企業・産業間での労働移動円滑化に向けた指針を取りまとめる方針だ。

 補正予算案ではこのほか、新型コロナウイルス禍による雇用調整助成金の支給増に伴い、危機的状況にある雇用保険財政に追加財源を投入。7276億円を計上した。

(共同通信社)