勤務していたJR金沢駅(金沢市)で現金500万円を盗んだ疑いで逮捕され、その後不起訴になったにもかかわらずJR西日本を懲戒解雇された元社員の男性が、雇用関係の確認を求めた訴訟の判決で、金沢地裁は28日、「男性が犯人とは認められない」として解雇を無効と判断し、未払い賃金の支払いを命じた。
判決によると、男性は現金を盗んだ疑いで2018年12月に石川県警に逮捕され、その後、嫌疑不十分で不起訴となった。だが、JR西日本は男性の犯行と結論付け、19年1月に懲戒解雇した。
小川弘持裁判長は判決理由で、窃盗ほう助容疑で逮捕された同僚の証言に「不自然、不合理な点があり、巻き込みの恐れを否定できない」として、男性が犯人であるとは認められないと述べた。未払い賃金の額は判決確定時に決まる。
JR西日本は防犯カメラ映像などから男性を犯人と認定したと主張していた。金沢支社の担当者は取材に「主張が認められず、残念。判決内容を精査し、今後の対応を検討したい」と話した。
(共同通信社)