琵琶湖のほとりにある大津市雄琴の温泉旅館「びわこ緑水亭」の男性料理長からパワハラを受けたとして、元従業員4人が慰謝料など計約2700万円の損害賠償を旅館側に求めた訴訟の判決で、京都地裁は19日、一部の行為をパワハラと認め、旅館と料理長に計約86万円の支払いを命じた。
判決によると、料理長は2006年ごろから、従業員が器を割ったり遅刻したりすると、1回当たり500円を徴収した。光吉恵子裁判官は「職場内の優位性を背景に、懲罰的に金を徴収した」と認定した。使用者責任に基づき、旅館側も連帯して不当利得を返還する義務を負うと結論付けた。
料理長から殴る蹴るの暴行を受けたり、調理器具でけがを負わされたりしたとする原告側の主張については「裏付ける証拠がない」と退けた。
旅館の担当者は取材に「内容を真摯に受け止め、誠意を持って適切に対応する」と述べた。原告側代理人の佐賀千恵美弁護士は「苦しんできた従業員にもう少し理解を示してほしい」と話し、控訴を検討すると明らかにした。
(共同通信社)
2022年10月19日 共同通信社