東横インに賠償命じる 地裁、うつ病で休職の男性

 

 ビジネスホテル大手「東横イン」で支配人補佐に就任した男性が、うつ病を発症したのは長時間労働などが原因だとして、同社に約1800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は29日、業務と発症の因果関係を認め、約870万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は2015年に入社し、愛知県内のホテルでフロント業務を担当。19年3月、中部空港(同県常滑市)近くに開業予定の大規模ホテルの経理担当支配人補佐に就任したが、同月、うつ病と診断され休職した。その後、半田労働基準監督署が労災と判断、補償給付の支給を決定した。

 五十嵐章裕裁判官は判決理由で、開業準備が集中した同3月は男性の業務負担が特に過重で、時間外労働も約127時間に上ったと指摘。「心理的負荷の程度は、うつ病発症の恐れがある強い状態だった」と述べた。

 また、上司から業務時間外に複数回、長文で厳しく非難するメッセージを送られたことの心理的負荷も軽視できないと判断した。

 東横インは「担当者が不在でコメントできない」としている。

(共同通信社)