コロナ雇い止め復職認めず 京都地裁、雇調金受給も

 新型コロナウイルス対策の雇用調整助成金を受給しているのに業績不振を理由に雇い止めしたのは不当だとして、和紙加工会社「コード」(京都市伏見区)の有期契約職員だった女性(59)が、会社側に従業員としての地位確認を求めた訴訟の判決で、京都地裁は21日、請求を棄却した。
 判決によると、女性は2018年8月から1年間の有期契約職員として勤務。1度契約を更新して、20年7月に雇い止めを通知された。女性側は、会社から定年の60歳まで働けると聞いていたことなどから、雇用が確保されると信じていたと主張していた。
 これに対し光吉恵子裁判官は、契約更新が1回にとどまっていたことや、会社が赤字だったこと、国による助成金の特例措置の延長が定まっていなかったことなどを挙げ「雇い止めは客観的合理性、社会的相当性を欠いたものとは言えない」と結論付けた。
 判決後、会社側は取材に「妥当な判決だと考えている」とコメントした。女性は京都市内で記者会見し「不本意な判決だ」と訴えた。
 会社側は、女性が訴訟について報道発表した内容などが名誉毀損に当たるとして損害賠償440万円を求めて反訴していたが、地裁は訴えを退けた。
(共同通信社)