不当労働行為認定は妥当 大阪・枚方市、組合訴訟

 

 大阪府枚方市職員の労働組合が機関紙で政権を批判したことを理由に、市が労組に対し市の施設にある労組事務所の明け渡しを求めたことを不当労働行為と認めた大阪府労働委員会の決定を不服として、市が府労委に決定取り消しを求めた訴訟の判決で、大阪地裁は7日、請求を棄却した。横田昌紀裁判長は、組合活動への不当な介入に当たるとして府労委決定は妥当と判断した。

 労組は2016年3月~18年10月の機関紙で沖縄県の基地移設問題などを巡り政権を批判する記事を複数掲載。市は労組が政治的主張を繰り返しているとして18年12月に退去を通告した。労組は団交を申し入れたが、市側は拒否。救済命令の申し立てを受け府労委は20年11月、活動を萎縮させる不当労働行為とした。

 訴訟で市側は「不当労働行為の意思はない」と主張。横田裁判長は「(労組が)一定の政治的意見を表明することが全く許容されないわけでない」と指摘し、事務所の明け渡しを通告することによって労組の活動を不当に妨害し、弱体化させると容易に認識できたとして市側の主張を退けた。

 労組は府労委側の補助参加人として訴訟に参加した。判決後に大阪市で記者会見した市本逸也執行委員長は「表現の自由が認められてほっとした。市は判決を受け止めてほしい」と話した。

 枚方市の伏見隆市長は「主張が認められず遺憾。今後の対応は判決内容を精査して検討する」とコメントした。

(共同通信社)