2022年07月29日  共同通信社

消防パワハラ免職取り消し 福岡地裁「処分重過ぎる」

 

 福岡県糸島市消防本部で2017年、同僚へのパワハラを理由に懲戒免職とされた処分を不服として、元消防司令補の男性(49)が処分取り消しを求めた訴訟の判決で、福岡地裁は29日、処分を取り消した。同様に、分限免職や停職となり提訴していた2人についても、処分を取り消した。

 小野寺優子裁判長は判決理由で、元消防司令補の男性が、暴言や不適切なトレーニングなどのパワハラをしていたと認定した上で「処分は重過ぎ、妥当性を欠く」と指摘。慰謝料として、市に100万円の損害賠償も命じた。

 判決は、分限免職だった元消防司令の男性、停職6カ月だった男性職員に関しても「処分は裁量権の範囲を超える」と判断。一方、戒告とされた男性職員の請求は棄却した。

 市消防本部では、ロープで宙づりにするなどの悪質な「しごき」が行われていたことが17年に問題化。11人を免職や停職などの処分に、2人を訓告にしていた。

 元消防司令補の男性は取材に「少し安堵した。強い言葉を使ったことは不適切だった」と話した。市消防本部は「判決内容を確認中で、現時点ではコメントできない」としている。

(共同通信社)